谷町・松屋町・長堀橋の歯医者、ささき歯科医院です。
ヤフーニュースで歯科の話が出ていましたね、今日はピックアップします。
歯の神経抜く治療は半数が再発!?…感染防御が不十分のケース多く
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6315293
>虫歯で神経を抜いた歯の下に感染が広がった「根尖(こんせん)病変」というヤツです。
根尖病変という呼び方に変わったのはここ数年の話しだったように記憶しておりますので、しっかり歯科の方の話を聞いてお書きになった記事のように思えます。
昔は根尖病巣と呼称されていましたが、現代ではそれは誤りで、根尖病変が正しい言い方とされています。
おおまかにまとめると、この記事では、ラバーダムと顕微鏡が必要、と記載されてあります。
当院でも根管治療においてはラバーダムを行い、歯科用顕微鏡も用いております。
また、
>保険での設定価格は、1本ざっと6000円~15000円(うち自己負担は3割)。ていねいな治療には、合計3~4時間以上もかかるのです。
ということから、歯科医としては保険治療として時間をかけることができない分野であることも記載されてあります。
なぜ保険治療では、時間がかけられないのかというと、日本では国民皆保険という制度上、全ての患者さんに平等な医療を提供する義務があります。
例えば僕の治療する時間が100あったとして、患者さんが二人いれば50,50に振り分けることができますが、
もし1日に100人の患者さんがいらっしゃった場合、一人につき1ずつ振り分けることになります。
軽い虫歯に治療時間として2かかるとして、2回きてもらうだけで済みます。
手間暇のかかる根管治療は10かかるとすると、10回きてもらうことになります。
しかし患者さんは、どの治療が時間のかかる治療かということを知る機会がないので、「あそこの歯医者は時間がかかる」と不満が出てしまいます。
患者さんがいなければ歯科医院は存続できないので、本来ならじっくりやらなければいけない根管治療を手早く終わらせ、「早く終わった!」と患者さんに不満が出ない反面、なんちゃって歯内療法になってしまっているのです。
歯内療法、歯の神経の治療をする際には、当ホームページの過去の記事でもありましたが、ラバーダムは行ったほうが確実にいいと思っています。
実際僕は治療しながら、
・お口をあけたままをキープしてほしい
・唾液が入らないようにバキュームを常にお口の中にいれっぱなしにしたい
・強力な消毒剤(次亜塩素酸)を使いたい
というようなことを考えているわけですが、ラバーダムを行うと、
・ゴム膜で唾液を遮断
・ゴム膜で消毒剤がお口に漏れる心配がない
・コム膜でお口を開けたままをキープできる
といいことだらけなので、ラバーダムを行わないというのはあまり考えられないことなのです。
記事の中に、手間だから行わない、と記載してありますが、ちゃんと患者さんが来る前に準備しておけば、
①器具をセッティング(5秒)
②お口の中にセット(10秒)
③ラバーダムシートをセット(10秒)
④ラバーダムの消毒(1~2分)
と、わずかな時間で行えます。
問題は顕微鏡を用いた治療です。
これは顕微鏡で歯の中を実際に見たことがある人間にしかわからないような気もします。
マイクロスコープを覗かなくても根の中が見えるという先生もたまにいらっしゃいますが、その先生の腕と診断力が欲しい歯医者は世の中にたくさんいると思います。
日本での歯科用顕微鏡(マイクロスコープとも呼ばれています)の導入率は10パーセントに満たないので、そもそも歯医者に顕微鏡とはなんぞや、と疑問になる方もいらっしゃるかとは思います。
しかし、実際に顕微鏡で歯の中を見てみると、中はかなり汚れており、掃除しなければいけない場所がとても多いのです。
それを限られた診療報酬の中で、山のようにいる患者さん全員をしっかり見なければならず、という条件が重なると、、、
なかなか難しいところがあったりします。
記事の最後にもあるように
>そこで、せめて新たに歯を傷めないために、定期的に歯科に通って、虫歯が進む前に対処するべく努めてはいます。それが歯にとってベスト、長い目で見てきっと安上がりですね。
これが一番大事だと思います。
全然痛くなかったのに、という歯に大きい虫歯があった経験はございませんか?
人間ドッグや健康診断に行くのと同じで、何事も早期発見がとても重要です。
しばらく歯医者に行っていないという方は検診の予約をいれるのが一番いいかと思います。
2月、3月の診療カレンダーです。
もうすぐ2月も終わりですね、暖かくなり花粉に悩まされる季節になりました。
僕はといえば、医院の近所にある耳鼻科の先生のところで、舌下免疫療法を行っています(保険適応ですよ!)。
効果が出るのが楽しみです。