社会にイイね!を、社会からイイね!を、ささき歯科医院です。
今回は抜歯の基準について投稿します。
歯が欠けたり取れたりしたとき、基本的には歯を抜かずにもう一度歯を作ることを考えます。
しかし難しいときももちろん存在します。
世に言うかぶせ物や差し歯、というのは
・かぶせ物を自分の歯にかぶせる
・差し歯を自分の歯に差す
治療法なので、
・かぶせられる自分の歯がしっかり存在しないとかぶせられない
・差される自分の歯がしっかり存在しないと差せない
わけです。
自分の歯がぐらぐらだったらやはりかぶせられません。
自分の歯が虫歯でボロボロだったらかぶせられません。
「なんとかあと1回お願いできませんか・・・!」と言われることもしばしばありますが、
①なんとか1回かぶせる
②半年後に痛くなる、もしくははずれるなどトラブルが起こる
③①の時無理してかぶせた時間やお金はなんのために使ったのだ・・?
ということになりかねません。
また、私の記事にたびたび出てきますが、年齢も重要です。
20代の方の歯がボロボロだとすると、私は多少無理をしてでも歯を製作します。
年齢を考えるとご自身の歯を残すことに意義があると考えるからです。
80代の方の歯がボロボロだとすると、私は歯を抜く方向で考えます。
ボロボロの歯を無理して残して、もしあと2年後に歯がまた悪くなった場合、再び歯科医院へお越しいただかなくてはなりません。
治療の時間やストレスも可能なだけ減らそうと思うと、抜歯してしまったほうが楽なこともあるのです。
「歯を抜く方向で考えるなんてなんて悪い歯医者だ!」とお感じになられる方もいらっしゃるかもしれませんが、足がおぼつかなかったり、それまでの人生で歯の治療を何度も何度も頑張ってこられた方からすると、「抜いてスッキリするほうが良いです」と同意を頂けることも少なくはありません。
写真の方は50代の男性です。
まだまだ働き盛りで歯を残すことには意義があると考えます。
しかし、歯が折れたことにより、歯ぐきの中の方までしっかり歯が無くなってしまっていました。
患者さんと相談の上、少し無茶ではありますが歯を可能な限りのこして、型取りを綺麗に行い、セラミックをセットすることになりました。
歯を残す、残さないは患者さん一人一人の生活の状況、1本1本の歯の状態によって全く異なります。
治療方針の決定は充分に話し合って行われるべきと考えます。
今回は患者さんと話し合いだけで30分を使用し、治療方針の決定を行いました。