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●症例投稿●ゴールド修復 001 ~奥歯クラウン編~

カテゴリ
ゴールド

社会にイイね!を、社会からイイね!を、ささき歯科医院です。

 

今日はゴールドの材料を用いて修復を行なった症例を投稿します。

 

金歯、と昔から使用されている材料ですが、あれは伊達や酔狂で使用しているわけではなく、理由があります。

 

①材料の加工のしやすさ

金箔のように、薄く強く伸びてくれる材料のため、歯に対してしっかりすみずみまで適合を狙いにいくことができます。

②絶妙な硬さ

予期しない噛み合わせの力がかかった際に、適度な硬さで適度に変形してくれるため、歯に悪影響を起こしにくいです。

 

もし私自身の歯を治療してもらうとして、見えないところなら修復材料として第1選択として使いたい材料です。

 

奥歯が何か変、ということでいらっしゃいました。

写真から、一番下に見えている歯において、金属とエナメル質との間にプラークが挟まっていることがわかります。

結局歯が割れている状態で、金属を除去し、割れている歯を除去しなくてはいけなくなりました。

今回の場合割れは浅く、歯を保存して修復することができると判断し、歯を修復することになりました。

 

まず割れていたエナメル質を除去し、仮セメントで埋め、

 

仮歯を装着しました。

 

仮歯はほぼ全てのクラウン症例で製作します。

目的は、

・噛み合わせの確認

・マージンの保護、確認

・歯肉の調整

です。

私は師匠から、「仮歯は支台歯を可視化するものだ」と教わりました。

クラウン治療を行う際の手順ですが、

①虫歯の除去、穴が空いたところを埋める

②支台歯形成

③仮歯の装着

④印象

⑤セット

と、おおよそ5ステップがあります。

支台歯形成というのはクラウンが入るように歯を削ることを言います。

支台歯形成が綺麗に出来ていないとクラウンは綺麗に出来上がりません。

しかし、口の中の支台歯をきっちり評価するのはなかなか難しいです。

仮歯を作る過程で、その評価ができます。

(なんか仮歯作りにくいな、、、)と思ったら、それは形成ができていないからなのです。

仮歯の出来が微妙だったら、やはり形成が微妙です、すこし修正が必要になります。

 

また、1本の歯の治療においても全体のチェックは必ず行います。

1本の歯のトラブルが全体につながっていることもあります。果たしてその1本だけでいいのか、もしくは近辺の歯も治療しなくてはいけないのかどうかを判断し、患者さんと共有します。

「いろいろ考えたけどとりあえずこの1本だけ治療しておく!」という結論でも全く構いません、けれど先駆けて知っているか知っていないかは重要だと思っています。

 

さて、今回の場合は仮歯製作後問題がなかったので、次のステップ(④の印象処置)に移ります。

 

支台歯の二重圧排を行い、

 

ブロックアウトを行います。

印象を行う際、必要な部位は十二分に記録を取る必要がありますが、そうでないところはなるべく省いて、必要なところだけを記録します。

そうすることで最終の印象体の精度は上がります。

 

今回の技工士への提出物です。

上あごの全体のシリコン印象

下あごの全体のアルジネート印象

シリコン印象材によるバイトマテリアル

これらでゴールドクラウンを製作依頼を出しました。

 

完成です。

 

一つ一つのステップを丁寧に行うことが最終修復物のクオリティに繋がると思っています。

 

 

 

かかった治療費用(形成〜仮歯製作〜印象〜クラウンセットまで)

ゴールドクラウン 132,000円

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