谷町・松屋町・長堀橋の歯医者、ささき歯科医院です。
今日は患者さんから質問に挙がる、「虫歯になったら一体どうやって治すの??」という疑問にお答えしようと思います。
歯医者が行う治療は、「なくなったものを元に戻す」というのが主な考えになります。
なので、なくなった範囲が小さければ、元に戻す材料も少なくて済みますし、
なくなった範囲が大きければ、そのぶん材料も大きくなるわけです。
なくなった範囲が小さい状況というのは、例えば次の写真のような場合です。
小さいので見えにくいですが、
真ん中に小さい黒い虫歯があります。
虫歯を小さく削って、コンポジットレジンという材料で修復します。(保険適応で、3割負担の方だと歯1本あたり約1000円かかります。)
大きく分けると、歯科における修復処置は
①コンポジットレジン充填
②インレー・アンレー修復
③クラウン修復
の3つに分けられます。
今日は①のコンポジットレジン充填の記事を載せようと思います。
虫歯は前歯・奥歯問わず出来てしまいます。
前歯のコンポジットレジン充填の適応範囲は、ささき歯科医院では、歯の3分の2ぐらいが残っていればなんとかできる、と考えております。
図で示すと、ピンク色の部分あたりまでだったら、なんとかコンポジットレジン充填で、保険適応の範囲で修復が可能かと思われます。
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自費治療として、ダイレクトボンディングという名前でコンポジットレジン充填を行う先生もいらっしゃると思います。(HPに掲載されている先生もいらっしゃいます)。
ダイレクトボンディングと、コンポジットレジン充填は何が違うのかというと、すごくざっくり言えば名前が違うだけです。
処置の内容はほぼ同じです、両方とも、歯科で使用するコンポジットレジンを修復材料として用いて、失われた歯の部位を復元するわけです。
(当院では自費治療としてのコンポジットレジン充填は、ほんの一部の適応を除いて行なっておりません。)
保険適応のコンポジットレジンと、自費適応のコンポジットレジンとで何が違うかというと
・材質が違う
→自費適応のコンポジットレジンは、保険点数の制限がないので、製造会社もコストを気にすることなく製造することができ、上質なものになります。
長持ちしますし、手入れもしやすい材質です。
保険適応のコンポジットレジンは、決して悪いものではないのですが、経年劣化しやすく、着色しやすい、またプラークが付着してしまいやすいです。
・色合いが違う
→自費適応のコンポジットレジンは色の再現性が優れています。本当にうまく充填されたものは全く見分けがつきません。
・術式がより細やかになる
→保険適応のコンポジットレジン充填処置は国によって治療報酬が定められており、その枠の中で歯科医院は充填処置を行います。
なのでふんだんに材料を使い、細やかに処置を行えば行うほど他の患者さんに迷惑がかかってしまいます。(保険治療は患者さんに平等でなければならないためです。)
自費適応のコンポジットレジン充填処置は、(ダイレクトボンディングのことです)、歯科医院によって設定している治療料金が異なります。
これはそのドクターの術式の細やかさや、単純に腕の問題もあります。
けれどそのぶん一つ一つのステップをシビアに行うわけです。
・もちが違う
材質が違い、術式が細やかになることにより、充填されたコンポジットレジンはもちが大きくかわってきます。
しかも劣化したとしても、ほんの少しの手入れで復活するのがダイレクトボンディングのいいところです。
自費適応のコンポジットレジン充填(ダイレクトボンディング)を勧められた方は参考になさってください。
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脱線してしまいました。前歯のコンポジットレジン充填の続きを書いてまいります。
ピンク色ぐらいまでなら、ということでしたが、ピンク色を超えるとどうなるのか。
修復範囲が大きくなると、コンポジットレジン充填では形を作りきることができません。
またコンポジットレジンはざっくり言うとプラスチックなので、かみあわせの力に耐えることができません。
要は長持ちしないのです。
コンポジットレジン充填ではなく、ラミネートベニアか、クラウン修復を適応することになります。
虫歯は小さいうちのほうが、圧倒的に処置しやすく、また歯を削る量が少なくてすみます。
さて、コンポジットレジン充填は前歯だけに使用されるものではありません。
奥歯にも適応範囲があります。
が、、、、長くなってきたので、今日はここまでにしておきます。
また次回、奥歯のコンポジットレジン充填について記事にしてまいります。
2月、3月の診療カレンダーです。
よろしくお願いいたします。