社会にイイね!を、社会からイイね!を、ささき歯科医院です。
すっかりご無沙汰の投稿です。
今日は前歯にセラミック修復を行った症例を投稿します。
以前に詰めてあったコンポジットレジンが外れてしまっていました。
何度か私もコンポジットレジン充填を行いましたがうまくいかず、クラウン修復を行うことにしました。
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コンポジットレジン充填は、歯に歯科用のプラスチックを直接接着させる方法です。
歯を削る量は一番小さく修復することが可能ですが、強度に劣る場合があります。
クラウン修復は、一般に言う被せ物のことを言います。
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一番前の歯は中切歯と呼ばれます。中切歯の1本のセラミック症例は非常に難易度が高いです。その分気合が入ります。
前歯をセラミック修復する時は正当な流れでいくと、以下の手順で進んでまいります。
①歯科技工士と情報共有、歯を削る量を暫定的に決定
②治療スケジュールを患者さんと共有、歯を削り、仮歯をセット(来院1回目90分)
③1週間程度空けて仮歯の具合を確認、プロビジョナルレストレーション製作のための型取り(来院2回目60分)
④2週間程度空けてプロビジョナルレストレーションをセット(来院3回目30分)
⑤1週間程度空けてプロビジョナルレストレーションの具合を確認、セラミッククラウン製作のための型取り(来院4回目60分)
⑥2週間程度空けてセラミッククラウンの色合わせ(来院5回目30分)
⑦2週間程度空けてセラミッククラウンのセット(来院6回目30分)
おおよそ2ヶ月程度がかかる計算になります。
これを患者さんと共有し、治療を開始しました。
麻酔をして、歯を削り(形成処置)、仮歯を作成しました。
仮歯とは、歯科医院にて歯科医師が製作するものです。プロビジョナルレストレーションとは、充分な歯型、資料を取り、歯科技工士が作成する仮歯です。最終的なセラミックと瓜二つのものを装着することで、日々の生活の中で不整合が生じないかを確認します。製作に何日も時間がかかるもので、精巧さが段違いになります。
今回は、上記③の時点で技工士と協議、仮歯に問題がないことがわかったので、③・④のステップを飛ばして⑤へいくことになりました。
ここからシェードテイクを行います。
シェードテイクとは、歯の色見本を歯のそばにおいて写真を撮影し、技工士へ情報を伝えることをいいます。撮影には色々なコツがあり、ただの写真撮影、、、というわけではありません。
さまざまな角度から撮影を行い、歯科技工士へ情報伝達を行います。
今回の症例は色がかなり難しい症例でした。
歯の色の再現度を上げようと思うと、セラミックの厚みが必要になります。しかしこの症例の場合歯が薄くセラミックの厚みがあまり取れないため、難易度がさらに上がります。
シェードテイクを元に、技工士がセラミックを製作、⑥の色合わせに入ります。
製作したセラミッククラウンを試し入れし、確認を行います、今回のケースは色が難しく、歯科技工士に立ち会いをお願いしました。立ち会いによる患者さんから追加の費用は頂いておりません。
透明感はかなり良い再現を達成できていましたが、歯の色が少し明るいことがわかりました。
セラミッククラウンを歯科技工士は持ち帰り、色の変更を行います。
そしてセット時の写真です。今回は1回の色変更でファイナルを迎えることができました。
真ん中の1本の歯のセラミック修復は非常に難易度が高いです。一番見えるところですし、複雑な色を再現しないといけません。
一つ一つのステップを高いレベルで行うことによって、患者さん、歯科医師、歯科技工士の3者全てが満足行く結果が得られます。
今回のケースは最終的に隣の歯と調和したセラミックをいれることができました。
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治療回数 4回
治療費用 132,000円
オールセラミッククラウン(専門技工士製作)、素材はジルコニアをメインに使用し、レイヤリング(陶材の盛り足し)タイプを採用しました。
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